AccessのMonaco SQLエディタ|M365版限定の新SQLエディタ解説
AccessのMonaco SQLエディタはMicrosoft 365版限定の新機能。2024年10月に展開。構文ハイライト・行番号・オートコンプリートなど6機能を解説。Access 2024(買い切り版)では使えない理由も。
結論:Monaco SQLエディタはMicrosoft 365版専用。Access 2024では使えない
先に結論を書きます。Microsoft AccessのMonaco SQLエディタは、Microsoft 365サブスクリプションのAccess限定の機能です。公式サポートドキュメントには「Monaco editor is only available in Access as part of Microsoft 365. Users of all other versions, including Access 2024, will continue to see the existing monochrome editor.」と明記されており、Access 2024を含む買い切り版では2025年時点でも従来のモノクロのSQLビューのままです。
Monaco SQLエディタは2024年10月28日にCurrent Channelへ展開されました(バージョン2410、ビルド18129.20116)。構文ハイライト・行番号表示・オートコンプリート・ライト/ダークテーマ・コメント処理・書式設定の6機能を備え、VS Codeと同じ「Monacoエディタ」をAccess向けに移植したものです。
この記事では各機能の動作、有効化の手順、そしてAccess 2024との差がなぜ生じるのかを順に説明します。
Monaco SQLエディタとは:VS Codeと同じ基盤をAccessに移植
「Monaco」という名前はVS Codeのコードエディタコンポーネントの名称です。Microsoftは同じUIライブラリをAccessのSQLビューに移植し、従来のモノクロテキスト入力欄をIDEに近い操作感に置き換えました。
公式サポートページによると、このエディタはJavaScriptフレームワークとEdgeブラウザ技術で構築されており、オフライン環境でもシームレスに動作します。インターネット接続がなくても利用できます。
Access自体がデスクトップアプリケーションでありながら、その内部でブラウザ技術が動いている構造です。Microsoftの公式Access Blogの記事では、このエディタをSSMSやVisual Studio、VS Codeと同じ強力なUIライブラリを活用したものとして紹介しています。
6つの機能:何がどう変わるか
公式サポートドキュメントが挙げている機能を整理します。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 構文ハイライト | SQLキーワード・関数・文字列をそれぞれ異なる色で表示する |
| 行番号表示 | エディタ左端に行番号が表示され、エラー箇所の特定に役立つ |
| オートコンプリート | SQLキーワード・関数名・テーブル名・列名を入力途中に候補表示する。フォームコントロール参照も補完対象になる |
| ライト/ダークテーマ | テーマの切り替えに対応している |
| コメント処理 | Accessクエリではクエリ先頭のみコメント可。パススルークエリは任意の位置に記述できる |
| 書式設定(フォーマット) | SQLの整形ができる。フォントはファイル→オプション→オブジェクトデザイナーで変更可能(既定はSegoe UI 8pt) |
F1キーでコマンドパレットを開けます。Ctrl+プラス/マイナスでフォントサイズも調整できます。公式ドキュメントによると、VS Codeでおなじみのキーボード操作が使えるとされています。
有効化の手順と注意点
M365版Accessでは、Monaco SQLエディタはデフォルトで有効になっています。無効にしたい場合、あるいは無効になっているデータベースで再び有効にしたい場合は次の手順です。
- 「ファイル」→「オプション」→「現在のデータベース」を開く
- 「Monaco SQLエディタを有効にする(Enable Monaco SQL Editor)」のチェックボックスをオン/オフする
- チェックボックスを変更して設定を保存する
この設定はデータベースごとに保持されます。VBAから操作する場合は Application.SetOption "Option to enable Monaco SQL Editor", True(または False)で切り替えられます。
注意点として、Accessの信頼設定が必要です。公式ドキュメントによると、セキュリティ上の理由から、Monacoエディタは信頼されているデータベースでのみ使えます。SQLビューを開いても従来のモノクロ表示のままになる場合、まずデータベースの信頼設定を確認してください。
Access 2024との差:なぜ同じMicrosoftの製品で分かれるのか
買い切り版のAccess 2024にも、Dataverseコネクタなどの新機能が加わりました(What's new in Access 2024)。ただし同じ公式ページでも、モダンチャート(新しいグラフ種類)のように「Microsoft 365のCurrent Channel限定」と注記され、Access 2024には入らない機能もあります。Monaco SQLエディタも、この「M365版限定」に含まれます。
M365版AccessはCurrent Channelを通じて新機能が継続追加されます。Monaco SQLエディタについては「available to all customers in the Microsoft 365 Current Channel」と明記されており、買い切り版のAccess 2024には含まれません。この差は両者の更新モデルの違いを反映したものと考えられます。
このような「M365版にしかない機能」はMonaco SQLエディタだけではありません。Accessはもう時代遅れ?や各バージョンのサポート終了スケジュールと合わせて、自社の利用環境がどのバージョンに該当するか確認しておく価値があります。Access 2024のサポート終了はMicrosoftのライフサイクルページによると2029年10月9日です。
既知の問題と現時点の制限
MicrosoftのMVP(Most Valuable Professional)コミュニティでは、展開当初からいくつかの問題が報告されています。
読み込みに数秒かかることがあります。特にSQLビューを頻繁に開閉する作業では気になりやすい遅延です。ユーザーが手動で入れたインデントがリセットされる動作も報告されており、書式設定の自由度はそれほど高くありません。
コメントの制限も実務上は引っかかる場面があります。標準クエリでは、コメント(/* */や--)はクエリの先頭にしか書けません。パススルークエリ(SQL Serverなどに直接送るクエリ)では任意の位置に書けますが、Accessのクエリ構文では制限が残っています。
これらは機能の有無の問題ではなく使い勝手の問題です。気になる場合は設定でオフにすれば従来のビューに戻せます。
よくある質問
Q. Access 2024を持っているがMonaco SQLエディタを使いたい。どうすればよいか。
Access 2024(買い切り版)ではこの機能は使えません。Microsoft 365のサブスクリプション(Accessが含まれるプラン)への移行を検討するか、M365版Accessのライセンスを別途取得する必要があります。
Q. Monaco SQLエディタはオフラインで使えるか。
公式ドキュメントに「works seamlessly offline」と記載されており、インターネット接続を必要としません。ただし動作にはAccessのバージョン要件(M365版)とデータベースの信頼設定が必要です。
Q. 既存のAccessファイルに影響はあるか。
Monaco SQLエディタはSQLビューの表示エンジンを置き換えるものです。Monacoエディタの利用可否はファイル形式ではなくAccessのバージョンで決まります。M365版Accessで信頼設定とデータベース別設定の条件を満たせばMonacoエディタが使われ、買い切り版のAccess 2024では従来のビューになります。
Q. 将来的にAccess 2024にも提供される可能性はあるか。
確認した公式資料では、提供予定は案内されていません。Access 2024のサポートはMicrosoftのライフサイクルページによると2029年10月9日までです。その後の継続利用には計画が必要で、現在の利用環境を把握したい場合は無料の解析可否チェックで現状を確認できます。
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